
約3ヶ月前に行った車検で、リヤブレーキローターとリヤブレーキパッドを交換したのですが、その時以降、車に乗った最初だけ、ブレーキを踏むと「キーキー音」がするようになりました。駐車場から出る時に下り坂があるので、ここで結構うるさい音が鳴ります。そして2~3回ブレーキを踏んで音が鳴った後は、走行中にブレーキが鳴くことはありません。そこで今回は、車の走り始めに起こるリヤブレーキの鳴きを止めていきたいと思います。

写真は、車両左側の後輪です。現在のリヤブレーキローターは、ディクセル製のSD Type(スリット付き)が入っています。これに交換する前は、ディクセル製のPD Type(スリット無し)を使用していて、ブレーキ鳴きは全くありませんでした。よってブレーキ鳴きの原因は、ブレーキローターのスリットにあると思われます。尚、リヤブレーキパッド(ニスモ製のS-tuneブレーキパッド)は、交換前と交換後も同じものを使っています。リヤブレーキローターの詳細については、
立ち合い車検を受ける(2)をご覧下さい。

ネット情報によると、一般にブレーキ鳴きは、ブレーキディスクにキャリパーピストンの圧力を介してブレーキパッドを押し当てた時に、ブレーキパッドが摩擦振動して空気中に異音を発生するようです。自車に該当する原因としては、①ブレーキディスク(スリット付き)とブレーキパッドの擦れ合い、②始動時のキャリパーピストンの圧力不均衡によるブレーキパッドのビビリが考えられます。ここで実車実験として、①は「車を1日放置した後と、3日放置した後」の条件で、②は「走行前にアイドリング状態でポンピング(ブレーキペダルを約10回強く踏む)をするか否か」の条件で、ブレーキ鳴きに差があるかを見れば、①と②がブレーキ鳴きの原因になっているかが分かりそうです。

№1~4において、上記①②の条件でブレーキ鳴き(鳴き音量、鳴き回数)を測定すると、①の条件では「放置日数が上がると、鳴き音量と鳴き回数が上がる」、②の条件では「ポンピングは有りよりも無しの方が、鳴き回数が上がる」という結果になりました。これにより、①と②は共にブレーキ鳴きの原因となっていることが確認でき、加えて、条件の最も緩い№1(①放置日数:1日、②ポンピング:有り)においても、1日放置すると再びブレーキ鳴きが発生することが分かりました。現状では、一度走行すると日中2~3時間の駐車であれば、再度走行してもブレーキ鳴きは起こりませんが、1日以上放置すると再度ブレーキ鳴きが発生するため、やはり適切な処置をしておく必要があります。

そこで、ブレーキ鳴き止めスプレーの登場です。写真は、SUMICO製のディスク鳴き止め剤になります。これをブレーキパッド側面に塗布すると、特殊摩擦安定剤によりブレーキパッドの摩擦振動を抑える効果があるそうです。それでは、鳴き止めスプレーを塗布しましょう。

左側後輪の写真です。鳴き止めスプレーは、リヤブレーキパッド両側(外側と内側)のパッド側面に塗布するのですが、ブレーキパッド内側の塗布位置が見えないので、一旦タイヤを外します。尚、タイヤを外す際にはサイドブレーキを引き、前輪にタイヤストッパーを置きました。

タイヤを外しました。リヤキャリパーの下側から、橙色のブレーキパッド(外側)が見えています。

拡大すると、こんな感じ。
矢印のパッド側面に鳴き止めスプレーを塗布するので、この部分をブレーキクリーナーで洗浄します。そして、鳴き止めスプレーをパッド側面に少量噴き付けます。

ブレーキパッド(外側)の上側に、鳴き止めスプレーを噴き付けました。スプレー液がディスク面に付着した場合は、速やかに拭き取っておきます。

ブレーキパッド(外側)の下側になります。

左側後輪のリヤキャリパーを上から見た写真です。ブレーキパッド(内側)の上側は、矢印のバックプレートがあって塗布位置が見えないので、丸印の隙間から鳴き止めスプレーを噴き付けました。

同じくリヤキャリパーを車両前側から見た写真です。ブレーキパッド(内側)の下側も、矢印のバックプレートがあって塗布位置が見えないので、丸印の隙間から鳴き止めスプレーを噴き付けました。

右側後輪の写真です。ブレーキパッド内側の塗布位置が分かったので、こちらはタイヤを外さずに、ホイールの隙間から鳴き止めスプレーを噴き付けました。左右リヤブレーキの塗布作業が完了したので、早速、車に乗って走行してみましょう。車両は約5日放置していたので、ブレーキを踏むと「キーキー音」が大きく鳴るはずですが、全くブレーキ鳴きはしませんでした。これで、車の走り始めに起こるリヤブレーキの鳴きを止めることができました。
[0回]