
さて今回は、エアミックスドアアクチュエーターの内部構造を見ていきたいと思います。写真は、前回取り外した大きい歯車の裏側です。基板と接触する部分には金属の接点が付いています。

こちらは継手アームの裏側になります。矢印には、ロッドホルダーが嵌め込まれています。右側の軸穴は、大きい歯車の軸と嵌合していた箇所です

基板を外しました。モータ軸にはウォーム歯車が付いており、3つの小さい2段歯車で減速する機構になっています。これらの歯車には、白いグリスが塗られていました。

3つの小さい2段歯車を取り外し、ケーシング上側からモータを取り外しました。これでケーシング上側に組み付いていた部品はすべて取り外したので、モータ単体の作動確認を行いたいと思います。

基板のモータリード線接続部に、12V(単3電池1.5Vを8本直列)の電源を繋ぎました。矢印のように、ウォーム歯車は勢いよく回転したので、モータの故障ではないことが分かりました。

次に、先程取り外していた3つの小さい2段歯車と1つの大きい歯車を組み付けた状態で、各歯車の可動を確認しました。ウォーム歯車は勢いよく回転し、他の4つの歯車もスムーズに回転したので、歯車の摺動には問題ないことが分かりました。尚、歯車および軸、軸受にはグリスを塗布せず、速乾性の潤滑スプレーを吹き付けています。

これが、潤滑スプレーのKUREドライファストルブです。以前、エアコン吹出口を制御するモードドアアクチュエーターから異音(ギャーギャー音)が鳴っていた時に使用した実績があります。

こちらはその時の、モードドアアクチュエーターの内部構造になります。構成部品はエアミックスドアアクチュエーターと似た感じです。

今回エアミックスドアアクチュエーターを分解した結果、モータ作動および歯車摺動に問題はありませんでした。よって、アクチュエーターを組み直して車両に接続して作動確認したいと思います。

エアミックスドアアクチュエーターを車両に接続しました。エアコン自己診断により、ステップ4(各アクチュエーターの作動点検)の表示番号[41~47]を切り換えましたが、アクチュエーターは作動しませんでした。

ふとそんな時、アクチュエーターのコネクタ付近を触ってみると、継手アームが突然動きました。

なるほど、アクチュエーター作動不良の原因は、アクチュエーター側コネクタの接触不良だと分かりました。ということで、今回はここで終了します。次回は、エアミックスドアアクチュエーターの基板の補修について掲載します。
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