
さて今回は、スパイラルケーブルの補修を行いたいと思います。これは、前回に取り外したスパイラルケーブル(リング状金属板)です。元々、並んでいる金属板同士の絶縁は黒色の樹脂だったようですが、写真ではほどんど欠落した状態になっています。(分解中、欠落した樹脂がたくさん出てきました)次に、上側の金属板と下側の樹脂部品を分離します。

左側がスパイラルケーブルで、右側がスパイラルケーブル本体カバーです。

スパイラルケーブル(裏側)の写真です。下側には、ホーンボタンからくる黒の配線との接続部が見えています。

これは、スパイラルケーブル本体カバー(裏側)の写真になります。これで分解できる部品はすべてなので、今回の不具合の原因を考えたいと思います。一つ目の「ハンドルをいっぱいまで切っていくと、ステアリングコラム付近からガリゴリ音が鳴っていた」というのは、スパイラルケーブル(リング状金属板)を絶縁していた黒色樹脂の劣化によって、ハンドルを回すと欠落した樹脂とリング状金属板が干渉して異音を発生していたと思われます。二つ目の「ホーンボタンを押してもホーンが鳴らなくなった」というのは、スパイラルケーブルと接触する接点先端部に剥がれ跡があったので、接点先端部の欠損による接触不良が原因だと思われます。

次に、スパイラルケーブルの補修をしていきたいと思います。はじめに、スパイラルケーブル内部に欠落した樹脂が散乱しているので掃除します。そして、接点と接触するスパイラルケーブルの外側リングを、接点が当たり易いように浮かせて曲げます。(外側リングだけ接点側に近づいた状態になります)

欠損した接点先端部にはんだ付けをします。

これは、接点が付いている状態を横から見た写真になります。部品を実際に組み付けてみて、下側のリング状金属板が回転した時にも、接点により常に導通が保たれているかを確認します。ということで、今回はここで終了します。次回はステアリングの組み付けについて掲載します。
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